綺麗な公園があったので、立ち寄ってみた
というのも、電車賃をケチろうと30分以上は歩いていて、座れる場所が見つかるたびに足を休めていた
平日の昼間、線路沿いを歩いて、外は肌寒いはずだが、幾分歩いたせいか、コートとマフラーはただのお荷物になっていた
幸い、荷物は多くなく、多少のお荷物は許容の範囲、気分を害したりといった悪さはしてこなかった
入口がどこにあるか戸惑いながらも足を進めて、視界に入ったベンチを目指した
ただ歩いて、写真を撮る
今にして残る記憶はその程度で、収めた写真を頼りに、思いを量る
憂うつな気分ではなかったこと、そのことは思い出せるが、喜怒哀楽は量れない
その時の感情はその時にしか分からない、一寸先には記憶としてとどまる
そんな、感情と記憶の在処を思考する時、私は何時も憂うつで、冷静である気がする
目的のベンチにたどり着き、足を休めた
何でもなくただ座り、ぼんやりと景色を眺めながら、時の流れを待つ
体が休まると立ち上がり、水辺に浮かぶ石を子供心に跳ねて進み、一度振り返ってから、また歩みを進める
フレームの中に収まる要素が、ほとんど自然になる
今居る場所にも慣れたのか、水辺に手を触れたくもなったが、ほんの心ばかりの気持ちであった
視界に人や車、住宅が入らなくなると、急激に自然というものを感じる
山奥のような自然ではなく、整備され、造られたような自然は、私に恐怖感ではなく、安心感を与えた
そして進む、また、進む
出口が見え、何故か名残り惜しい気持ちを抱く
振り返ると、それは綺麗な景色であった
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